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教育・仕事・生活

アダプティブラーニングで浮いた時間でSTEAM教育

AI教材「Qubena(キュビナ)」によって、中学校数学のカリキュラム進度を7倍の効率(32時間)で修了する事を実現した株式会社COMPASS CEOの神野元基氏

 

定期試験の廃止、宿題の廃止、学校行事の自主運営など、教育の本質を追求し学校改革を進めている東京都千代田区麹町中学校校長の工藤勇一氏

 

お二方の実践と活躍は著書を通じて興味を持っていましたが、経済産業省の「未来の教室」実証事業で、2018年度に「Qubina」を麹町中学校に導入した実践が行われていた事を知り、状況を調べてみました。

 

経済産業省の「未来の教室」実証事業とは

2018年1月~6月に開催された経済産業省「「未来の教室」とEdTech研究会」での議論内容を踏まえ、「未来の教室」の姿を具現化するための実証事業。

 

「未来の教室」とEdTech研究会が、2030年頃には日本全国の当たり前であってほしいと思い描く「未来の教室」のラフスケッチは以下。

①幼児期から「50センチ革命×越境×試行錯誤」を始める
②誰もが、どんな環境でも、「ワクワク」(遊び、不思議、社会課題、一流、先端)に出会える
③学習者が「自分に最適な、世界水準のプログラム」と「自分に合う先生」を幅広く選べる
④探究プロジェクト(STEAM(S))で文理融合の知を使い、社会課題や身近な課題の解決を試行錯誤する
⑤常識・ルール・通説・教科書の記述等への「挑戦」を、(失敗も含めて)「学び」と呼ぶようになる
⑥教科学習は個別最適化され、「もっと短時間で効果的な学び方」が可能になる
⑦「学力」「教科」「学年」「時間数」「単位」「卒業」等の概念は希釈化され、学びの自由度が増す
⑧「先生」の役割は多様化する(教える先生、教えずに「思考の補助線」を引く先生、寄り添う先生)
⑨EdTechが「教室を科学」し、教室は「学びの生産性」をカイゼンするClass Labになる
⑩社会とシームレスな「小さな学校」に(民間教育・先端研究・企業/NPOと協働、企業CSR/CSVが集中)

以上「未来の教室」ホームページから引用

 

この、「未来の教室」実証事業に採用されたものの一つが、麹町中学校の数学の授業に「Qubena」を導入するものです。カリキュラムを効率化して浮いた時間でSTEAM教育を取り入れたようです。

 

※STEAM教育

Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Art(芸術)・Mathmatics(数学)を統合的に教育するもの。

 

麹町中での「Qubena」導入の成果

中1~中3の基礎コース(全体の約3分の2)にて、「Qubena」のみで学習を実施。結果として、全学年で標準授業時間の約1/2の時間数で学習を修了することができたそうです。

 

カリキュラムの効率化で浮いた時間を利用して、STEAM教育を実施。全3テーマ(ロボット・3Dプリンター・ドローン)で計9回のワークショップを実施。ワークショップ全体を通して、数学の要素を取り入れることで、基礎学習への学習意欲喚起をはかったそうです。結果として、数学の学習で学んだことは「自分の生活の役に立つと思う」「自分の将来に役立つと思う」「社会の問題解決に役立つと思う」といったアンケート項目で、受講後に変化が見られました。数学を学ぶことに対する意欲喚起にも一定効果がある事が伺えます。

 

今後の追求事項

教科学習と実践的な学びのバランスをどうとっていくかは、今後重要な課題になってくると思います。AIを活用したアダプティブラーニングによる教科指導の効率化は、一つの答えになると思うので、今後の技術開発に大いに期待しています。浮いた時間で生徒が取り組む課題として、何が適切なのかも今後の追求テーマになりそうです。

 

「未来の学校」実証事業では、他にもPBL(Project Based Learning:問題解決型学習)アダプティブラーニング、STAEM教育に関わる興味深い事業が展開されている(される予定)のようなので引き続き注目していきます。

 

工藤氏と神野氏の対談記事も拝読しましたが、「学んだことを人や社会のあいだで双方向で使ってはじめて価値がある」という工藤氏の言葉が胸に響きます。

 

子どもたちが、「主体的に学ぶ事」「学びを効率化する事」「学びを活用する場を創出すること」。今後も、見聞を広めながら自身にできることを追求・実践していきます。

 

参考

www.learning-innovation.go.jp

www.fnn.jp

www.learning-innovation.go.jp

hugkum.sho.jp

 

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