manabilife

教育・仕事・生活

「学び直し高校数学」長岡亮介先生に学ぶ数学教育

高校数学の学び直し用のテキストとして、「考える大人の学び直しシリーズ 長岡先生の授業が聞ける高校数学の教科書I・A・Ⅱ・B・Ⅲ・C」旺文社(Kindle版)を購入しました。2011年に出版されたものなので旧課程のものですが、入試が目的ではないことと、IA・ⅡB・ⅢCすべてを網羅し、音声データもついて2084円という破格の値段だったので即決で購入しました。

 

「はじめに」で語られる長岡亮介先生のコメントが、「数学の学び方」「講師のあり方」「教室のあり方」について、改めて考えるきっかけになり、思わず熱い気持ちになりました。一部抜粋して紹介します。

 

「数学の学び方」

(P2)

《基礎》の意味が見失われ、《初歩》と混同されているといわざるを得ないと思います。

 

例えば、数学にはたくさんの「公式」があります。そのような公式を覚えて、それを適用する練習をする人は多いのですが、

 ・それぞれの公式がどのように導かれるのか

 ・それぞれの公式の間にはどのような関係があるのか

 ・それらの公式は理論的にどのような意味を持っているのか

実は数学の勉強においては、こういう理解が個々の公式を覚える以上に重要な意味を持っています。(中略)

本当の基礎がしっかりできていれば、ちょっとした+αでいかなる入試問題にもただちに対応できます。 

 公式を使う確認のために練習問題があるのではなく、「公式の理解を深めるために練習問題がある」という認識は、同じ練習問題に取り組むにしても、生徒の理解に大きな差をもたらすと感じました。

 

②講師のあり方

(P4)

私の解説が、本書を使って勉強に向かう皆さんに

 ときには、勉強へのフォームをアドバイスするコーチのような

 ときには、皆さんの横を伴奏してはげます友人のような

 ときには、皆さんが向かっていく遠い先を示す灯台のような

役割を果たす事を期待しています。

 

(P6)

本書ができないと認めざるを得ないことがあります。それは皆さんが「苦労したけどやっとわかった」と嬉しそうに叫んだとき、一緒に笑顔で喜んであげることです。 

 道を示す灯台であり、コーチであり、励ます友人である。この3点は良い先生に欠かせない要素が端的に示されていると思います。ちょうど今流れている「明光義塾」のCMで、愛くるしい少年が「あーそういうことか!!」とうれしそうにしている場面が印象に残っていたこともあり、「苦労したけどやっとわかった」と嬉しそうに叫んだときに、一緒に喜んで上げることの重要性も、再認識しているところです。

 

③教室のあり方

(P5)

現代のように、社会と価値観が多様化し、同時に進学率が向上してくると、すべての同じ年齢の人に、同じ数学的な内容の理解を、同じ学問的水準で要求することは、(中略)

伸びようとする若い才能に退屈な反復と忍従を強いる知性への抑圧であり、他方では、まったく内容を理解できず、したがって意味を見出し得ない時間を過ごすことを教育の名の下に強いる人権の蹂躙であり、(中略)

教育が強大な社会悪になる可能性が近年ますます現実化しています。(中略)制約された「お勉強」を強制されている現状の教育制度の不合理(無駄と無理)はなんとしても克服したいものだと思います。 

 長岡亮介先生のこの教材の取り組み(講義の音声データを利用する)も、一律のカリキュラムを突破するための一つの挑戦だと感じます。そして、近年の著作では、Youtubeの講義とリンクした参考書を出版しています。良質な講義をいつでも、どこでも視聴できる環境が整いつつある現在。教室の役割、講師の役割は、「理解する喜び」「それを分かち合う空間」という2点が重要な要素になっているのではないでしょうか。

 

同時に、集団授業の中で、一人一人の学習状況に合わせた、「アダプティブラーニング」を実現することが可能かどうかも、引き続き検討していきます。

 

長岡先生の授業が聞ける高校数学の教科書数学 (考える大人の学び直しシリーズ)

長岡先生の授業が聞ける高校数学の教科書数学 (考える大人の学び直しシリーズ)

 

  

YouTubeで学べる 長岡先生の集中講義+問題集 数学I+A+II+B 上巻

YouTubeで学べる 長岡先生の集中講義+問題集 数学I+A+II+B 上巻

 

 

youtu.be