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教育・仕事・生活

「学び直し中学公民」地方自治のしくみ

地方自治の歴史

憲法は、それぞれの地域の政治を、地方公共団体地方自治体)が行うこと地方自治、およびそのしくみと内容について定めている(92条〜94条)。また、これに基づいて1947年(昭和22年)地方自治法が制定された。

 

日本では、戦前まで、国の政策が地方まで行き渡るべきだという考えから、都道府県知事も政府から任命され、地方に赴任するという中央集権的な手法が取られていた。

 

戦後、知事は住民の直接選挙で選ばれるようになったが、地方行政の仕事の多くは、国の仕事を代行することであるなど、中央と地方が一体となったシステムが取られてきた。

 

日本が経済大国に成長し、グローバル化の時代をむかえると、国は外交や防衛などを重点的に行い、地方にできることは可能な限り地方に任せるという地方分権の考え方が重視されるようになり、2000年(平成12年)には地方分権一括法が施行された。地方分割一括法により、国と地方の間での役割分担の見直しをはかった。また、現在の都道府県制に代えて、いくつかの府県をまとめて一つの地方行政単位とし、広域自治体として道・州を置く、道州制を採用するという考え方もある。

 

地方自治のしくみ

〈首長と地方議会〉

地方公共団体の政治を行う執行機関の最高責任者は首長とよばれ、住民の直接選挙によって選ばれる(93条②)。都道府県知事や市区町村長がこれにあたる。

 

地方公共団体には、議事を行う機関として、地方議会が置かれている。議員は首長と同じく、住民の直接選挙で選出される。地方議会の最大の仕事は、その地域で通用する独自の法である条例の制定・改正・廃止で、法律に違反しない限り、条例を定める事が認められている。

 

首長と地方議会は対等の立場にあり(二元代表制)、どちらかが強くなりすぎないように、たがいに牽制し合う力関係を保っている。議会が首長に対して行う不信任決議や、首長が持っている議会解散権がその代表。

 

地方自治と住民参加〉

・直接請求権

地方公共団体の住民は選挙権以外にも、条例の制定・改正・廃止、地方議会の解散(リコール)などを求める直接請求権を持っている。

オンブズマン制度

住民の苦情や要望に基づき、政治が適正に行われているかどうかを監視するオンブズマン制度を導入するところも増えつつある。オンブズマンスウェーデン語で代表という意味で、法律や福祉の専門家だけでなく、一般の市民も任命されている。

住民投票

特定の地方公共団体にのみ適用される特別法の制定についての住民投票憲法で定められている(95条)

 

地方公共団体の財源〉

地方公共団体は地域の住民から地方税を集めている。しかし、この自主的な財源は平均40%以下で、ほとんどの地方自治体が地方債を発行したり、国から地方交付税交付金国庫支出金を受け取り、収入の不足分を補っている。

 

地方公共団体の改革

・2005年(平成17年)三位一体改革

2005年(平成17年)から、効率的な政治と財源確保のために「三位一体改革」が実施された。

1.国から地方への補助負担金などを減らす

2.地方交付税を減らす

3.国税の税源の一部を地方税に移す

また、地域の能力や行政の効率を高める方法として、市町村合併も行われている。

 

・2008年(平成20年)歴史まちづくり法

地域の歴史的な資産を活用したまちづくりの取り組みを国が支援する「歴史まちづくり法」が制定され、2018年には68都市が認可を受けている。