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教育・仕事・生活

「学び直し中学地理」ヨーロッパ州

①ヨーロッパの気候

〈西岸海洋性気候〉

ヨーロッパの大部分は日本に比べ高緯度に位置しているが、大西洋を北上する北大西洋海流とその上空を吹く偏西風の影響を受けて、気候は比較的温暖。とくに、大西洋や北海に面した地域は、冬の寒さがあまり厳しくない西岸海洋性気候になっている。この地域では1年を通じて安定した降水があるので、さまざまな農作物の栽培や牧畜・酪農などがさかん。

 

〈地中海性気候〉

ギリシャやイタリア、フランス、スペインなどの地中海沿岸の地域は、夏は晴天が続いて乾燥する地中海性気候。オレンジやオリーブなどの夏の乾燥に強い果樹や冬の雨を生かした小麦などを栽培する地中海式農業が行われている。フランスでは小麦の自給率は100%を大きく上回り、アメリカ合衆国に次ぐ世界第二位の小麦輸出国になっている。

 

〈亜寒帯〉

北極圏(北緯66度33分より北の地域。冬至の時に極夜、夏至の時に白夜になる)にかかるスカンディナビア半島の大部分と海から離れた内陸に位置する東ヨーロッパやロシアは、冬の寒さが厳しく、スカンディナビア半島には氷河によてけずられた谷に海水が深く入り込んだフィヨルドなどの氷河地形がみられる。

 

②ヨーロッパ文化の共通性と多様性

〈ヨーロッパの宗教〉

プロテスタントが多い地域(イギリス・ドイツ・スウェーデン

カトリックが多い地域(イタリア・スペイン・フランス)

正教会が多い地域(ロシア・ギリシャ

 

〈ヨーロッパの言語〉

ヨーロッパの北西部では英語やドイツ語などのゲルマン系言語が南部ではイタリア語やスペイン語のようなラテン系言語、東部ではロシア語やポーランド語などのスラブ系言語が一般的。同じ系統の言語は、同系統の民族の言葉が長い時間をかけて変化してきたものなので、文法や発音が似ているといった共通の特徴がみられる。

 

ヨーロッパ連合EU)による変化

EUの発足〉

1967年、アメリカ合衆国などの大国に対抗するために6ヵ国(フランス・ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)でヨーロッパ共同体(EC)を発足。1993年にはヨーロッパ連合EUとなり、加盟国は北ヨーロッパや東ヨーロッパにも拡大。現在28ヵ国が加盟している。EUの人口規模やGDPの合計はアメリカ合衆国を超えており、世界の政治・経済に大きな影響を与えている。EU域内では多くの国で共通通貨のユーロが使われ、加盟国からの輸入品にかかる税金をなくしたことにより、域内の貿易がさかんになった

 

EUの課題〉

農地や生産量など、国によって規模が大きく異なるため、EUは域内の食料自給率を上げ、EU域外からの輸入農産物にも対抗できるように、農家や地域に補助金を出す対策をとってきた(共通農業政策)。しかし、農業国が多い東ヨーロッパの国々がEUに加わったこともあり、補助金の増加がEUの財政を圧迫している。

 

また、東ヨーロッパの国々は工業化が遅れ、比較的所得が低いという傾向がみられる。そのため、これらの国々からドイツやフランスに働きに出る人が流入した結果、ドイツやフランスでは失業率が増加している。逆に、賃金が安く、製品が安く生産できる東ヨーロッパの国々にドイツやフランスの企業が工場を移転する動きもみられる。日系企業も、ポーランドハンガリーチェコなどの東ヨーロッパ諸国に進出している。