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教育・仕事・生活

「学び直し中学地理」九州地方

①九州地方の地形と農業

〈中央部〉

九州の中央部にある阿蘇山熊本県には巨大なカルデラがある。カルデラとは、火山の爆発や噴火による陥没などによってできた大きな窪地で、カルデラを縁取る環状の尾根は外輪山と呼ばれる。阿蘇山カルデラの面積は約380k㎡の大きさをもつ世界最大級のカルデラで、カルデラの中に広がる平野には約5万人の人々が暮らしている

 

〈北部・西部〉

北西部の海岸はリアス海岸になっていて、その西に広がる大陸棚をもつ海域に面した長崎県は日本でも有数の漁獲量をほこる。佐賀県の南には、日本最大の干潟をもつ有明海があり、日本一の養殖のりの産地として知られている。

 

北部には筑紫平野などの平野が広がり、九州地方を代表する米の産地になっている。冬でも温暖な気候を利用して、稲作が終わったあとの水田で小麦や大麦など、ほかの作物を栽培する二毛作が昔から行われてきた。

 

〈南部〉

南部にある桜島(鹿児島県)は頻繁に噴火を起こす火山で、4kmしか離れていない鹿児島市では、火山灰が入らないように窓をしめきったり、風向きによって洗濯物を干してもいいか判断したりしている。

 

九州南部は、豚や鶏、肉牛の飼育が日本で最もさかんな地域。冬でも温暖な気候は放牧や子豚の飼育に最適なので、畜産農家だけでなく、ハムなどを加工する食品会社や、スーパーを経営する会社が、大規模な畜産を直接経営したりしている。

 

また、温暖な気候を生かした促成栽培がさかんな地域でもあり、宮崎平野ではきゅうりやピーマン、熊本平野ではトマトやスイカなどを生産している。

 

九州南部にはシラスとよばれる古い火山の噴出物によってできた台地が広く分布している。50〜100mになるほど厚く積もったシラスは水分を保ちにくく、シラス台地での農業には困難があった。第二次世界大戦後に、食料を増産するためにシラス台地の開発が進められ、ダムや農業用水を整備することによって、それまで栽培の中心だったサツマイモに加え、野菜や茶などの収益の多い作物や、飼料用の作物とあわせた畜産がおこなわれるようになった。鹿児島県は、静岡県につぐ茶の生産県に成長している。

 

〈南西諸島〉

温暖な気候を生かしたさとうきびや、パイナップルの生産の他、沖縄島で栽培されている菊など、収入の多い花や野菜などの生産が増えていて、航空機で東京などへ出荷されている。

②九州地方の産業

〈福岡の発展と北九州工業地帯

福岡市の海の窓口である博多湾は、季節風による荒波が押し寄せる冬でも波が穏やかで船が行き来しやすい天然の良港。そのため、福岡市は古代から大陸との貿易を行う港町として発展してきた。現在、福岡市は人口148万人(2015年)で、九州地方最大の都市になっている。

 

地層に多くの石炭が含まれている九州北部では、江戸時代から筑豊炭田をはじめとする多くの炭田で石炭の採掘が行われている。明治時代になると、筑豊炭田や鉄鉱石の輸入先だった中国が近かったことから、現在の北九州市に官営の八幡製鉄所が作られた。この製鉄所を中心として、鉄鋼業が発達した地域は、北九州工業地帯と呼ばれている。

 

〈IC工場〉

1970年代にIC(集積回路)の工場が急増したが、1990年代以降は外国企業との競争が激しくなり、組立作業などをアジアの国々に移転する企業が増え、九州地方のICを生産は停滞している。

 

〈エネルギー〉

火山を生かした地熱発電により、大分県八丁原地熱発電所など、国内の地熱発電所の4割が九州地方に集中している。

 

太陽光発電もさかんで、鹿児島県や福岡県ではメガソーラーの運転が始まっている。また、佐賀県では太陽光発電のパネルをつけた住宅を建てる市民に自治体が補助金を出すなど、再生可能エネルギーの積極的な導入に取り組み、住宅用太陽光発電の普及率は全国1位になっている。