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教育・仕事・生活

「学び直し中学地理」東北地方

①東北地方の地形と気候

〈東北地方の地形〉

東北地方は中央に奥羽山脈がはしり、太平洋側には北上高地阿武隈高地日本海側には出羽山地白神山地が広がっている。

 

南北につらなる山脈や山地の合間には、日本海と太平洋に向かって流れる河川によって、北上盆地山形盆地郡山盆地が形成され、市街地が発展してきた。北上川下流部の仙台平野や、最上川下流部の庄内平野は広大な稲作地域になっている。

 

太平洋沿岸の三陸海岸は入り江の多いリアス海岸が続き、波がおだやかな湾では養殖業をはじめとした漁業がさかん。

 

〈東北地方の気候〉

日本海では、冬になると北西からの季節風によって冷たく湿った空気が流れ込むので雪がたくさん降る。これに対し、太平洋側では奥羽山脈をこえて乾いた風がふきおろすため、雪は少ない。

 

東北地方は本州の他の地域に比べて夏でも涼しくなる。とくに太平洋側ではやませとよばれる北東の冷たい風がふくと、曇の日が続き日照時間が不足して気温が低くなる。

 

②東北地方の農業・漁業

〈東北地方の米づくり〉

東北地方の平野や盆地では古くから米の生産がさかんに行われてきた。東北地方の太平洋側では、やませの影響を強く受けると稲が十分に育たず収穫量が減る冷害が起こることがある。1993年には多くの地域が冷害に見舞われ、これをきっかけに、当時宮城県で開発されていた「ひとめぼれ」などの冷害に強い品種の栽培が広がり、現在では、気温と稲の生育状況から冷害の警戒を伝える情報システムを利用する農家もいる。

 

1970年代になると、日本人の食生活が変化したことによって米の消費量が減り、米が余るようになったため、政府は米の生産量を減らす減反政策を始めた。東北地方の米の産地では、大豆や麦などのほかの作物への転作が進んだが、よりおいしい銘柄米の開発も進められた。減反政策では、政府が各県で生産できる米の量を決定していたが、海外からの米が大量に輸入されることをみこして、国内の米の競争力を高める必要が出てきたことから、2018年度に減反政策は廃止された。

 

〈冷涼な気候をいかした農業〉

東北地方では、古くから寒さに強いそばや小麦の栽培が広く行われてきたため、岩手県のわんこそばや、秋田県稲庭うどんが有名。また、米の不作に備えて里芋が各地でつくられてきた。宮城県山形県を中心にさといもを材料にした芋煮会が毎年秋に行われている。

 

岩手県遠野市は、涼しい気候で育ちやすい、ビールの原料となるホップの生産量が日本一。また、青森県の三本木原は、にんにくやごぼう、長芋など、夏の低温の影響を受けにくい根菜類の一大産地になっている。

 

〈東北地方の果樹栽培〉

山形県は山形盆地を中心に果樹栽培がさかん。夏の昼夜の気温差を生かしたさくらんぼや西洋ナシなどの果樹栽培を営む農家が多い。さくらんぼの「佐藤錦」や「紅秀峰」は、山形県からトラックや航空機で全国各地に出荷している。

 

青森県では津軽平野を中心に夏の涼しい気候を生かしたりんごの栽培がさかんで、国内の生産量の半分以上を占めている。この他にも、福島県の桃が日本有数の生産量をあげている。

 

〈東北地方の漁業〉

三陸海岸の沖合には、寒流の親潮と暖流の黒潮が出会う潮目(潮境)があり、カツオやサンマ、イワシなどたくさんの魚が集まる豊かな漁場になっている。リアス海岸が続く三陸海岸は、入り江が多く漁港に適しており、気仙沼や八戸など、水あげ量の多い漁港が点在している。湾の内側は波がおだやかで、三陸海岸の牡蠣やワカメ陸奥湾のホタテなどの養殖業もさかん。

 

③東北地方の工業

〈伝統工芸品〉

東北地方では、農業の副業として発展してきたさまざまな伝統工芸品がある。岩手県の南部鉄器、古くから地元にあった砂鉄や漆、燃料にする木材といった資源を活用して作られてきた。しかし、安くて軽い調理器具が普及したことで鉄器の生産量は減少している。一方、伝統的な質感を好む人や、現代風にデザインされた製品を求める人が増えてきており、国内だけでなく海外でも人気を得るようになった。他にも、山形県の天堂将棋駒青森の津軽塗福島の会津などが有名。

 

〈東北地方の工業団地〉

かつては、積雪によって農業ができない冬の間だけ出稼ぎにいく人も大勢いたが、1970年代から80年代にかけて高速道路や新幹線が整備されていくと、岩手県北上市や、福島県郡山市などに工業団地が作られ、電気機械のような労働力を必要とする工場が誘致されるようになった。現在、ハイブリッドカーをはじめとする自動車生産の一大拠点に成長しつつある。

 

再生可能エネルギーの活用〉

2011年の東北地方太平洋沖地震東日本大震災)による福島県原子力事故をきっかけに、風力や地熱、太陽光、バイオマスなど、再生可能エネルギーを活用する動きが活発になっている。福島県猪苗代湖の南側には、日本最大級の発電量をもつ風力発電所があり、広野町楢葉町などの沖合でも、風力発電所の建設が進められている。