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教育・仕事・生活

「21世紀型スキルの育成①」teacherからeducatorへ

「21世紀スキルをみにつけるにはどうすればいい?」を追求する中で、「資質・能力を育成する」というキーワードを目にする機会が多くなりました。「資質・能力と知識の違い」に関する認識や「資質・能力は自分の中にあるものを引き出して使うもの」という認識、「educate」の語源が「能力を導き出す、引き出す」という意味であることを知り、今後子どもたちと関わるにあたり「teacher」ではなく「educator」であるという認識は、非常に重要な視点だと感じました。

 

①資質・能力って何?

「資質と能力」の定義を定めるためには、国立教育政策研究所の「資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究報告書1」のP13〜P16の記載がイメージしやすかったです。

・「内容知」と「方法知」とを分けて考えると、「資質・能力」は、内容についての「学び方」や「考え方」に関するものなので「方法知」に近い。

・「方法知」は内容をより深く学ぶことに使えるし、そうすることで方法知自体も鍛えられる。

「資質・能力」は対象が変わっても使えることを目標とするので、教科等を横断する汎用性の高いもの。その点で、メタ認知と密接に関係する。

・「知識」は子供がそれを知らないと想定されるのに対し、「資質・能力」は全く持っていないとは考えにくいもの。

・「知識」は学んで身につけるもの。「資質・能力」は自分の中にあるものを引き出して使うものという区別ができる。

・「資質・能力」は誰しもが基本的に持っているものであり、それが特定の環境で経験を積み重ねることによって行動として表れてくると考えることができる。

・「考える力」という「資質・能力」も、基本的には人がみな持っており、ただ、特定の分野や環境で役立つように「うまく考えることができるようになるまでは、たくさんの経験が必要

 

「知識」を伝達するだけでは、短期的な成績上昇につながっても、すぐに成績は頭打ちになってしまうケースが多々あります。もともと持っている「資質・能力」を引き出すという視点、方法論、技術を身につける必要を感じました。

 

②「teacher」と「educator」の違い

teachは「相手が知らない情報を伝達すること」。一方「educate」は「相手から引き出すこと」。より詳しくは、アナハイム大学のデビッド・ヌーナン教授の記事が参考になります。

・2000年前、初期の優れた教育者のひとりであろう哲学者のソクラテスは、「教育とは人という器をいっぱいに満たすようなものではなく、炎に火を付けるようなものだ」と言いました。英語の教育 (education)ということばは「引き出す」を意味する、ラテン語のeducareから派生したことばです。つまり、学習者がすでに知っていることを使い、方向付け、磨きをかけ、発展させ、すでに知っていることと、これから学ばなければいけないことの間に架け橋をつくるのです。

教育者とは、自分たちの主な責任が、子どもたちに知識を注ぎ込むことではなく、学ぶ機会をつくることにあると考える人のことです。 

デビット・ヌーナン教授の記事によると、講義形式は一見効率的に知識を伝達できそうですが、もっとも非効果的な方法の一つだそうです。また、国立教育研究所のレポートによると、21世紀スキルプロジェクトは、スキルを手順に分解し教科等の学習から切り離して形式的にトレーニングする方法に警鐘を鳴らしているそうです。

 

つまり、子どもたちがすでに有している資質・能力に目を配り、知識の獲得と結びつけていく。つまり、教育者とは「educator」であるという認識が重要になるのではないかと感じました。

www.nier.go.jp

www.anaheim.edu