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教育・仕事・生活

「21世紀型スキルの育成②」知の創造過程がスキルを育む

「21世紀型スキルをみにつけるにはどうすればいいか?」に答えを出すためには「知識とは何か?」を明確に定義する事が一つのヒントになりそうです。

 

①21世紀型モデルの根底「知識創造モデル」

〈獲得メタファと参加メタファ〉

サファード(1998)は、知識を心の中の容器に入れる「物」としてイメージする「獲得メタファ」と、状況における他者や事物との関わりとしてイメージする「参加メタファ」の2つがあるとして整理した。

 

「獲得メタファ」として知識を捉えると、学習とは「何かを獲得すること」であり、教師とは「知識の提供者」であり、知ることとは「所有していること」という事になる。

 

「参加メタファ」として知識を捉えると、学習とは「共同体の参加者になること」であり、教師は「熟達した参加者」であり、知ることとは「共同体に属し、参加すること」という事になる。

 

〈獲得・参加メタファを超克する「知識創造モデル」〉

「獲得メタファ」と「参加メタファ」の2つでは、知識は個人の頭の中にしかない静的な存在か、他者や環境との関係の中にしかない動的な過程かのどちらか一方になってしまう。その二分法に陥らないために、スカーダマリア(2012/2014)らによって提案されたのが「知識創造モデル」

 

「知識創造モデル」は、トヨタなどの現実の知的創造機関の分析を行った野中・竹中(1996)の「知識創造モデル」、エンゲストロウム(1987/1999)の「拡張的学習モデル」、知的教育を実践したべライターとスカーダマリアの「知識構築モデル」の共通点を探り、7点にまとめたもの。

①新しさの追求

心身二元論を超える媒介要素

「みんなで作りあげる公共的な知識の世界」が想定され、公共的知識空間の改善のために、現状への「疑問」や「問い直し」が重視される。

③社会的な過程としての知識創造

④知識創造に対する個人の主体性

⑤命題的・概念的知識を超える

言葉にできる理論的知識を実際に使って身体化することや知識創造の「見込み」を感じるセンスの獲得が目指される。

⑥概念化や概念的人工物の重視

個人の身体化された知識や感覚が大事だとしても、それを概念化し、批判吟味できる対象(人工物)にすることを推奨

⑦共有物をめぐる相互作用や共有物を通した相互作用

人と人との相互作用は共有するオブジェクト(製品・作品・アイディアなど)をめぐってなされる。その結果がまた共有物となり、それを通して相互作用が続いていく。

「知識創造モデル」においては、資質・能力は、知識創造を可能にする手段として位置づけられる。「知識創造モデル」で考えると、「知識を創造する活動」を通して自らも「知の作り手」となることが、「知を作る」という資質・能力の育成につながることになる。

 

②今日の学び

「知識創造モデル」は、知識を身につける過程そのものが資質と能力を向上させる事が直感的にもわかりやすいと感じます。より実践的には「新しさの追求」「知識の身体化」「知識の可視化」「共有物による議論」といった事がキーワードになるのではないでしょうか。問題解決に向けて、得た知識をどんどん形にして共有する。そして他者との相互作用で練り上げていく。このような意識と場が、一人ひとりの21世紀スキルの育成につながるのではないかと考えています。

 

③参考

www.nier.go.jp