「データブック オブ・ザ・ワールド」のデータをもとに、メキシコについて学んでいきます。他の新興国同様、今後の人口増加が見込めるだけでなく、原油や銀などの鉱物資源が豊富で、観光客も多く、今後の経済発展のポテンシャルは十分あると思います。しかし、国内生産成長率は低迷しており、貧困問題の解決が大きな課題になっています。原油価格やアメリカの経済状況の影響を受けやすく、他の新興国通貨に比べると比較的安定しているとはいえ、通貨価値は不安定です。
【他の新興国や日本との比較】
まずは、他の新興国と日本との主要データの比較です。
日本の特殊出生率の低さが際立っています。新興国の可能性として人口増が取り上げられる事が多いですが、国内総生産成長率の低迷や、人間開発指数の低さから、貧困問題を解決できるかが大きな課題になりそうです。メキシコは比較的観光客数が多い国なので、コロナによる影響は大きかったと考えられます。
【メキシコの経済概要】
・世界有数の鉱業国
・1994年12月にペソが急落し通貨危機に
・アメリカ出稼ぎ者からの送金は石油輸出を上回る最大の収入源
・2020年7月、NAFTAに替わるアメリカ・メキシコ・カナダ協定が発足
【メキシコの鉱業】
原油 1億1148万t(2.9% 12位)
銅鉱 59万t(3.1% 10位)
鉛鉱 25万t(5.1% 5位)
亜鉛鉱 59万t(5.4% 6位)
マンガン鉱 22万t(1.3% 10位)
モリブデン鉱 1.4万t(4.7% 5位)
ストロンチウム 5.7万t(28.0% 2位)
※紅色の炎色反応を示し、花火の火薬に用いられる。ブラウン管ガラス、フェライト磁石の原料などに利用。放射性同位体は原子力電池の燃料として使用される。
水銀 197t(5.2% 2位)
金鉱 126t(3.9% 9位)
銀鉱 5,364t(20.2% 1位)
塩 900万t(3.3% 9位)
【メキシコの農牧林水産業】
トウモロコシ 2,717万t(2.4% 8位)
もろこし 453万t(7.6% 6位)
ココナッツ 116万t(1.9% 8位)
バニラビーンズ 495t(6.5% 3位)
トマト 456万t(2.5% 9位)
サトウキビ 5684万t(3.0% 6位)
オレンジ類 525万t(4.8% 6位)
パイナップル 100万t(3.6% 9位)
サイザル麻 9,008t(4.5% 7位)
綿花 40万t(1.7% 10位)
馬 639万頭(11.1% 2位)
牛 3482万頭(2.3% 8位)
豚 1784万頭(1.8% 8位)
鶏 5.7億羽(2.4% 7位)
鶏卵 287万t(3.7% 4位)
蜂蜜 6.4万t(3.5% 9位)
【メキシコの工業】
コプラ 22万t(3.7% 5位)
※ココヤシの胚乳(白い部分)を乾燥させたもの。
ビール 120億L(6.3% 4位)
砂糖 602万t(3.4% 7位)
牛肉 198万t(2.9% 6位)
鶏肉 334万t(2.9% 6位)
牛皮 25万t(2.9% 6位)
硫酸 480万t(2.1% 10位)
重油 1,236t(2.7% 8位)
鉛 36万t(3.4% 6位)
亜鉛 33万t(2.4% 9位)
自動車 410万t(4.2% 6位)
【メキシコの輸出:4,611億ドル】
食料品7.7% 原材料と燃料7.6% 工業製品76.9% その他7.8%
アメリカ76.0% カナダ3.0% ドイツ1.5% 中国1.5% ブラジル0.9%
(内訳)
機械類 33.3%
自動車 24.6%
原油 4.8%
精密機械 3.7%
野菜と果物3.6%
【メキシコの輸入:4,533億ドル】
食料品5.5% 原材料と燃料11.6% 工業製品73.9% その他9.0%
アメリカ44.1% 中国17.8% 日本3.8% ドイツ3.8% 韓国3.8%
(内訳)
機械類 36.0%
自動車 8.7%
石油製品 6.3%
精密機械 3.2%
金属製品 3.1%