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高校地理で学ぶメキシコ

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中学地理では、州による地域区分で学習するため、メキシコは「北アメリカ州」という区分でアメリカ合衆国やカナダとともに学習していきます。高校では、文化や民族を指標とした地域区分で学習するため、ラテン系の人々が入植の主体となったラテンアメリカとして、メキシコ以南の国々とともに学習していくことになります。高校地理を学ぶことで、大土地所有制による貧富の拡大や、アメリカ合衆国企業の工場進出の背景について知る事ができます。

 

【メキシコの人種・民族構成】

ラテンアメリカでは、人種や民族の混血が進んでおり、メキシコではヨーロッパ系(白人)と先住民の混血であるメスチーソの割合が多い。

・メスチーソ 60%

・先住民 30%

・白人(スペイン系) 9%

 

【農業制度】

ラテンアメリカでは、大土地所有制がスペインやポルトガルから持ち込まれ、農業と社会の基盤になった。大農園を所有する農園主は都市に住み、農園の運営は管理人にまかされ、実際に農業に従事するのは住み込み労働者とその家族。このようにして、農園主を頂点とした社会経済階層が形成され、貧富の差が大きい社会が生まれることになった。この大土地所有制にもとづく大農園をラティフンディオというが、メキシコではアシエンダと呼ばれている。

 

現在ラテンアメリカでは国際市場向けの新しい農業がさかんになり、モノカルチャー経済(一次産品の生産に特化)からの脱却と新たな雇用の創出が期待されている。メキシコでは野菜栽培が行われている。

※一次産品

農林水産業および鉱業によって産出される未加工のもの

 

【工業化の進展】

メキシコでは輸入代替型(輸入するかわりに国内で製造する)の工業化が進展したが、1960年代後半から、アメリカ合衆国との国境沿いに、マキラドーラ制度の下で、自動車部品・電子部品などを製造する輸出向け加工工場が集積した。NAFTAが締結されたあとは、マキラドーラ工場にかわって、メキシコに生産拠点を移したアメリカ合衆国の企業が、メキシコ工業に貢献している。

※マキラドーラ制度

メキシコの低賃金労働力を活用し、税制の優遇を受けて輸出向けの生産を行う保税輸出加工制度および工場。

NAFTA北米自由貿易協定

カナダ・アメリカ合衆国・メキシコの3ヵ国で締結した自由貿易協定。1994年に発効。関税を段階的に撤廃すること、他国への投資を自由化すること、知的財産を保護することなどにより、経済を発展させることを目的とした。以降、メキシコには、人件費の安さから自動車、家電製品を中心とする電気機械、繊維工業を中心に工場がつくられ、アメリカ合衆国への輸出が増加している。