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集団で学ぶ価値⑥_授業案作成のための言葉の定義

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「基本概念」を学ぶ授業案を作成する型を整理します。まずは、前提となる「言葉」を定義します。

【言葉の定義】

(基礎リテラシー:Basic)

問題を解決するために、もしくはより難度の高い問題を解決するために知っていたほうがいい(覚えておいたほうがいい)基礎知識や基礎技能をまとめて基礎リテラシーとする。

(基本概念:Fundamental)

問題解決のために生み出された言葉や法則。

(問題:Problem)

解決すべき問題。

(ビッグアイデア:Essential)

問題を解決するために生み出された具体的な考え方。

※基本概念はビッグアイデアよりも抽象的な単語として表現され、ビッグアイデアは問題解決のために用いられた概念がより具体的に表現される。

 

(例)

(基本概念)指数法則

(問題)a^{m} \div a^{n}を簡単に表したい

(ビッグアイデア

x^{0}=1

x^{-n}=\dfrac{1}{a^{n}}

の定義による指数法則の形式的拡張

(基礎リテラシー)指数法則を用いた文字式の計算

「指数法則という基本概念の学びの過程で、人類がx^{0}=1x^{-n}=\dfrac{1}{a^{n}}を定義することによって、a^{m} \div a^{n}を簡単に表したいという問題を解決できたことを学ぶ」

 

【授業の核は問題】

授業の核は「問題」。現代、あるいは過去に人類がどのような「問題」に直面し、その問題を解決するためにどのような「基本概念」が生み出されきたかを学ぶのが一つの型になる。「問題」とは「理想的な状態」とのギャップによって生み出されるので、「○○を解決するにはどうする?」「○○を解決するために、○○はどうしたのか?」という問いかけが「問題」の形式としては適していると考えられる。過去について学ぶ場合は、「当時何が問題だったのか?」「なぜそれが問題だったのか?」を共有する事が、学習意欲につながる可能性がある。

 

【基本概念は基礎知識に転化する】

数学の公式などはそれ自体が一つの「基本概念」(問題解決のために生み出されたもの)ではあるが、より難度の高い問題を解決するための「基礎知識」として活用される。「基本概念の知識への転化」については、いくつか研究もなされているようなので今後調査していく。

 

【基礎知識を効率的に身に着ける事も実践的な問題】

「基礎知識が全て基本概念を学ぶ中で転化されたもの」とは言い切れない。現実の入試を突破するためには、「基礎知識を効率的に身につけるにはどうすればいい?」という問題は、別途検討する必要がありそう。ただし、あくまで「基礎知識」は「問題解決」をよりスムーズに行うための道具として、「問題」とセットで学習する事が必須と考えられる。また、基礎リテラシーの習得は反復などの単調な作業が必要になる可能性が高いので、ゲーム的要素を取り入れるなどの工夫も必要になりそう。こちらも多くの研究事例や実践事例があるので別途追求していく予定。