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基礎リテラシー向上型授業のゲーム化①_「競争」「価値観の共有」「ストーリー」

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基礎知識習得には、反復トレーニングや地道な努力の継続が欠かせません。そこで、神馬豪・石田宏実・木下裕司の三氏による共著「顧客を生み出すビジネス新戦略 ゲーミフィケーションを参考に、基礎知識習得のゲーム化について検討していきます。

 

ゲーミフィケーションとは】

ゲーミフィケーション(ゲーム化)とは、「人を熱狂させ、購買させ、虜にする」というゲームの仕組みを他の商品に適用する事を意味します。ゲーミフィケーションを適用する17の技術は以下。

①即時フィードバック

②レベルアップ

レベルデザイン(利用者のレベルに合わせる)

④不足感(コレクションの視覚化で、不足している事がわかる)

⑤シークレット

⑥スコアとランキング

⑦バッジと実績

⑧競争

⑨協力(仲間と一緒にいたい気持ちで継続させる)

⑩価値観の共有

⑪ストーリー

⑫カスタマイズ(自分オリジナルのキャラクター)

⑬イベント

⑭リメンバー(期限付きの権利)

⑮プレリレーションシップ(新作の発売に合わせて前作も買ってもらう)

⑯グラフィカル(絵による楽しさの理解)

⑰驚嘆

以上を書き並べると、タブレット学習との相性がいい事がわかります。即時フィードバック、レベルアップ、スコアとランキング、バッジやストーリー、カスタマイズなど、タブレと学習の「デキタス」や「すらら」などは当然のように取り入れています。また、意欲換気の即時フィードバックを生身の人間が行うために、タブレット学習を学習塾で行うようなスタイルが広がっているのも一定の成果が期待できそうです。しかし、思うように学習に向かえない生徒がいるのも事実。本物のゲームに比べ刺激が劣るのは当然のこととして、「何のために学ぶのか」という目的意識がないと、基礎リテラシーの習得の実現は難しくなりそうです。

 

集団授業で基礎リテラシーを向上させる授業を検討するためには、自宅や塾でのタブレット学習を超えるような成果が見込めなければ価値がなさそうです。ゲーム化の要素の中で「集団で学ぶ価値」を感じる要素は、「競争」「ストーリー」「価値観の共有」です。

 

【競争】

ここでの「競争」は「スコアとランキング」とは違い、瞬間瞬間の他者との競争を表します。「スコアとランキング」が一部の上位者のモチベーションにしか繋がらず、下位者にとっては逆にモチベーションを下げる可能性があるのに対し、「競争」は実力が高い人にハンデをつけるなどの調整が可能です。「基礎リテラシー」を「1授業完結」で仲間と競争しながら学ぶというのが1つの方針になりそうです。

 

【ストーリーと価値観の共有】

多くの生徒が、基礎知識を習得する際に「なぜその基礎知識を身に付ける必要があるのか?」という必要性を感じない事が、基礎知識習得の妨げになっています。必要性を感じないまま「テスト」という圧力をもとに単調な基礎技能習得に励んでいるのが実態だと思います。「基本概念を学ぶ」ために「基礎リテラシーが必要」というストーリー性を、共に学ぶ仲間が共有している事が、集団で学ぶ価値になりそうです。

 

上記の事から考えると、「基礎概念を学ぶ上で、身につけたほうが良い基礎リテラシー」に絞って、スコアとランキングといった要素とは違う、より即時性の高い「競争」という要素を取り入れて、授業内完結を目標に授業を実施する事が効果的と言えそうです。最終的には、生徒自らが、各自の問題意識に合わせて基礎リテラシーを向上させる事がゴールと考えると、そのための学習時間の余白を残しておく事も重要なのかもしれません。