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基本概念を学ぶ中学理科②_還元

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【問題】

鉄を製錬するにはどうすればいい?

【問い】

①その概念が生まれた背景は?

・焚き火の中に偶然鉄鉱石が混ざり、金属が精錬できる事は分かっていた。

・製錬に必要なものが鉄鉱石と炭素である事は発見されていた。

②その問題が生まれた背景は?

・BC2000年代に青銅の製錬が実現していたが、融点の高い鉄の製錬は実現せず。

・焚き火に鉄鉱石を入れる事で金属が製錬される発見はなされていた。

③その概念によってどのような問題が解決し、その後どうなったか?

金属の製錬により、青銅器や鉄器の仕様が始まる。初めて鉄製武器を利用したヒッタイトは周辺地域を制圧。鉄の製錬技術は縄文・弥生時代に日本にも伝わり、その後「たたら製錬」「溶鉱炉による製錬」と製錬技術が進化し、多くの鉄器が生み出された。

【基礎知識】

・人類が初めて出会った金属は自然金や自然銅。

・鉱石から金属の単体を取り出す操作を「金属の製錬」という。

・BC5500年頃のペルシアでマラカイト(孔雀石)から、焚き火をしたときに偶然銅が生成した。

・最初に実用化された金属は銅とスズの合金である青銅(ブロンズ)。

・ブロンズが使われ始めたのはBC2700年〜BC2000年から。

・銅の融点は約1085℃、鉄の融点は1536℃。製錬の難易度が高いため鉄の実用化はブロンズより遅れた。

・古代人が、焚き火の周囲を風や水を防ぐために石で囲ったときに偶然鉱石が紛れて、強い火と薪の炭素で鉄に還元されたと考えられる。

・BC1700年〜BC1200年の西アジアヒッタイトが鉄製武器を用いて他地域を制圧。

・日本には縄文時代から弥生時代に鉄の製錬技術が伝わり、江戸時代中頃にたたら製鉄といわれる製錬技術が確立。

・現在は溶鉱炉で鉄鉱石とコークス(石炭)を蒸し焼きにして銑鉄(炭素を多く含みもろい)を得る。融解した銑鉄を別の炉で酸素を吹き込んで炭素を取り除き、鉄が製造される。

【重要事項】

鉱石から金属が製錬できる事を偶然発見した人類は、その後青銅、鉄の精錬技術を進化させ多くの金属器を生み出してきた。中学理科では、比較的低い温度でも製錬可能な酸化銅と炭素の混合物を利用して、銅を精錬する実験を行い、還元の様子を学習する事が多い。