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基本概念を学ぶ生物①_電子顕微鏡

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【問題】

根源を観察するにはどうすればいい?

【基礎知識】

・1590年にヤンセン父子によって顕微鏡が発明された。

・1665年、ロバート・フック(イギリス)が顕微鏡でコルク片を観察し、コルク片の中の小孔を「細胞」と名付ける。

・1676年、レーウェンフック(オランダ)が倍率の高い単レンズの顕微鏡を自作し細菌を発見。

・19世紀末に現在使われている光学顕微鏡と同じ分解能をもつ顕微鏡が作られる。

・1932年、ルスカ(ドイツ)が電子線を用いる透過型電子顕微鏡(TEM)を発明。

・その後、試料を立体的に観察できる走査型電子顕微鏡SEMが発明される。

・現在、電子顕微鏡によって0.1〜0.2nmのものまで見分けられる。

・20世紀半ば、固定・染色せずに生きている細胞や細胞分裂を観察できる位相差顕微鏡(明暗のコントラストがついた像が見える)や微分干渉顕微鏡(立体感のある像が見える)が発明される。

※分解能

接近した2点を2点として見分けることができる最小の間隔。

肉眼の分解能は約0.1mm、光学顕微鏡の分解能は0.2μm

※長さの単位

1μm(マイクロメートル)=1/1000mm

1nm(ナノメートル)=1/1000μm

【問い】

①その問題が生まれた背景は?

・肉眼の分解能の限界を超えて細部を観察したいという科学者の欲求

・生きたまま詳細を観察したいという欲求

 

②その概念によってどのようにして問題が解決したか?

・光学顕微鏡の発明により、肉眼を超えて0.2μmまでの観察が可能に。

電子顕微鏡によって0.1nm〜0.2nmまでの観察が可能に。

・走査型電子顕微鏡により立体的な観察が可能に。

・位相差顕微鏡により、生きたままの観測や染色せずに観察する事が可能に。

③問題解決後どうなったか?

・ヒトの赤血球(7.5μm)、大腸菌(3μm)エイズウイルス(100nm)、細胞膜の厚さ(5〜10nm)、原子(0.1nm〜0.4nm)など、生物や原子の詳細の解明が進んでいる。

【現代への活用】

BC6世紀のイオニア自然哲学など、合理的根拠で自然現象を解明しようとするベクトルは、1665年、ロバート・フックの「細胞」の命名を経て、0.1nmの原子が観察できるところまで到達しました。

「根源を知りたい」という人類の欲求は本能的なものであり、その欲求による新たな発見が、多くの発明をもたらし、人類の生活に変容をもたらしたことを考えると、「根源を知りたい」という無垢な欲求が人類史に与えた影響は大きく、今後も継続していくと感じさせます。