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基本概念を学ぶ世界史_インド古代世界③_武力を放棄した国家統合をどう実現する?

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【問題】

武力を放棄した国家統合をどう実現する?

【基本概念】

ダルマ(法・まもるべき社会倫理)

 

【基礎知識】

BC4世紀になると、マケドニアアレクサンドロス大王がアケメネス朝を滅ぼし、西北インドまで進出。その影響で各地にギリシア系の政権が誕生した。そんななか、BC4世紀の終わりに登場したインド最初の統一王朝がマウリヤ朝創始者のチャンドラグプタ王は、インダス川流域のギリシア勢力を一掃し、さらに西南インドとデカン地方を征服した。

 

【問い】

①その問題が生まれた背景は?

マウリヤ朝の最盛期を築いたアショーカ王は、征服活動の際に多くの犠牲者を出したことを悔い、しだいに仏教に帰依するようになった。

 

②その概念によってどのようにして問題が解決したか?

武力に訴える征服活動を放棄し、ダルマ(法・まもるべき社会倫理)による統治と平穏な社会をめざして各地に勅令を刻ませた。

 

③問題解決後にどうなったか?

官僚組織と軍隊の維持が財政困難を招いたことや、王家に対するバラモン階層の反発もあり、マウリヤ朝アショーカ王の死後衰退した。

 

【学びの活用】

新たな領土獲得などの利権拡大につながる侵略戦争に対し、防衛戦のための軍隊の維持が財政面を圧迫するのは多くの国家が直面してきた課題。また、対外圧力の低下が内部の序列闘争が活発化するのも共通。アショーカ王の統治は、武力を放棄した国家運営のためには「法」は絶対に必要であるが、「安定した財政基盤」も同時に確立していなければ内部崩壊を招いてしまうという事例の一つ。