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基本概念を学ぶ世界史_ギリシア世界③_財産政治

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【問題】

債務奴隷による国力の低下と、貴族と平民の調停をどうする?

【問い】

①その概念が生まれた背景は?

・ソロンは債務奴隷が増えることによる国力の低下を恐れた。

・ソロンは一切の負債を帳消しとし、債務奴隷を禁止とした。

・市民団を年間の農業生産高に応じて「500石級」「騎士級」「重装歩兵級」「労務者級」の4つの階級に分け、それぞれに応じて参政権を与えた。

 

②その問題が生まれた背景は?

・交易活動の活発化によって自費で武具を揃えた平民による重装歩兵が国防で重要な役割を果たすようになり貴族と対立。

・ソロンが貴族と平民の調停者として改革を行い、内部対立を抑えようとした。

・当時のアテネでは生産物の6分の1を地代として富裕者に収め、それが払えないと抵当として奴隷に売られる隷属的農民の存在が深刻に。

 

③その概念によってどのような問題が解決し、その後どうなったか?

・血統ではなく、経済力によって市民の参政権が定められた。

・ソロンの改革はアテネ民主政に向けた第一歩ではあったが、貴族と平民の対立を集結させる事はできなかった。

・その後、僭主と呼ばれる独裁者が平民の支持を得て非合法に政権を奪うようになった。

【基礎知識】

アテネ市民は貴族(血統を誇る富裕者)と平民の区別があった。

・貴族は高価な武具を身に着け、騎馬で移動する戦士として国防の主力を担っていた。

・BC7世紀まで、少数の貴族が政治を独占する貴族制ポリスが一般的だった。

・交易活動が盛んになり、あまった農産物を売って富裕になる平民が現れる。

・自費で武具を買った平民が密集隊形を組む「重装歩兵」が軍隊の主力に。

・国防で重要な役割を果たすようになった市民が参政権を主張して貴族と対立。

・従来、慣習法を貴族の都合のいいように解釈して平民に不利な裁判が行われることがあったが、ドラコンによって慣習法が成文化された。

 

【重要事項】

交易活動の活発化により、武具を揃える余力が生まれた平民は、密集隊形を組み国防の中心を担うようになる。平民の影響力が大きくなるに従い、平民と貴族の対立が深刻化する。この問題を解決するためにドラコンによる「慣習法の成文化」ソロンによる「財産政治」が実施された。また、国防の主要な担い手になる平民が地代を払えずに奴隷に転落する「債務奴隷」の問題は、国力を低下させるとして禁止された。

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