新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の使い分けをどうするかは、多くの人が検討している最中だと思います。
「資産拡大のインデックス投資」と「分配金目当ての高配当etf」。余力資金や年齢によっても内訳が変わってくると思います。
資産拡大のインデックス投資なら、王道の「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」せっかくの非課税を活かして多少リスクをとるなら「三菱UFJ国際-eMAXIS NASDAQ100インデックス」や「大和-iFreeNEXT FANG+インデックス」「大和-iFreeNEXT インド株インデックス」などのハイテク銘柄やインド株への投資も候補になりそうです。
一方、分配金目当ての投資となると真っ先に浮かぶのが米国ETF。「VYM」「SPYD」「HDV」などの高配当ETFや「AGG」「BND」といった債権ETFなど豊富なラインナップが浮かびます。しかし、米国ETFは為替を考慮したり、ドル円の両替などの手間がかかり、結局分配金を使わないまま、投資信託で分配金再投資していたほうが良かったのではというパターンになることも。
そこで、東証ETFを使って、分配金を得る投資先の候補をピックアップしました。円で分配金が得られれば、自由に使うのも、リスク資産に再投資に利用するのも自由自在。投信積み立ては米国株式に偏る可能性が高いので、国内、海外問わず、信託報酬が安く、利回りも比較的高いものをピックアップしました。ラインナップは以下。
- ①海外株式「SBIーSBI・V米国高配当株式インデックス・ファンド」
- ②海外REIT(2515)「NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)」
- ③海外債権(2511)「NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)」
- ④国内株式(1652)「iFreeETF MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」
- ⑤国内REIT(1597)(1476)(1660)
①海外株式「SBIーSBI・V米国高配当株式インデックス・ファンド」
いきなり反則技の投資信託。残念ながら海外株式で信託報酬が安くて高配当のETFは見当たりません。月6回分配の(2236)「GXUS配当貴族」を候補に上げる人もいますが、0.3%の信託報酬はやはり高く、これなら、信託報酬0.1155%の「日興−Tracers S&P500配当貴族インデックス」への投資の方が魅力的です。そこで、分配金目当ての候補として候補になるのが、同じく投資信託の「SBIーSBI・V米国高配当株式インデックス・ファンド」。米国高配当株のVYMに投資するETFですが、分配金は再投資されるため、分配金を得るためには手動で売却する必要があります。しかし、味方を変えるとこれがメリットで、分配金が必要なければ再投資で資産拡大し、分配金が必要であればVYMの目安となる3%を好きなタイミングで売却すればいいだけ。分配金を引き出すかどうかを自分のタイミングで選べるのはETFにはないメリットになります。資産拡大を目指すなら配当貴族のほうが優れている可能性が高いですが、3%の分配金を自由に下ろすという感覚で使うのであれば、「SBIーSBI・V米国高配当株式インデックス・ファンド」の方が使い勝手がいい投資信託と言えそうです。
②海外REIT(2515)「NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)」
信託報酬0.17%で、人気の(1659)「iシェアーズ 米国リート ETF」の0.2%よりも信託報酬も安く、分配金も勝っています。先進国REITとはいうものの、中身の75.4%はアメリカ。むしろ米国REITよりも分散が効いてかつ信託報酬も安いので、海外REITなら2515が最有力候補になりそうです。
③海外債権(2511)「NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)」
NISA口座で債権を組み込むかは好みが分かれるところだとは思いますが、信託報酬0.12%で米国債権に約50%、残りの50%をヨーロッパ中心の債権が占めており分散が効いているのが特徴。債権投資であれば同じく先進国債券に投資する「emaxis slim先進国債券」や米国債権に投資する「SBI-SBI・iシェアーズ・米国総合債権インデックス・ファンド」もあるが、債権投資については、資産拡大という位置づけよりも守りの資産の要素が強いので、分配金を得つつ守りの資産として保持するETFの方が向いているのではないかというのが個人的見解。
④国内株式(1652)「iFreeETF MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」
日本の高配当ETFは今後の株価推移に不安が残ることと、信託報酬の高さがネック。そんな中、1652は高配当という名を冠していないものの、5%の配当金と0.15%という信託報酬の安さが魅力。純資産が低いのが不安要素。
1652は米国の大手指数会社MSCI Inc.により選定されたMSCI日本株女性活躍指数に連動。女性活躍推進法により開示されているデータ等から各企業の女性活躍度を点数化し、この点数の高い企業をJ-REITを除く各業種から選別している。
(構成銘柄上位10社)
2 東京海上HD
3 東京エレクトロン
5 任 天 堂
6 HOYA
7 KDDI
8 伊 藤 忠
9 三菱 UFJ フィナンシャル
10 三菱商事
⑤国内REIT(1597)(1476)(1660)
(1597)MAXIS Jリート上場投信
(1476)iシェアーズ・コア Jリート ETF
(1660)MAXIS高利回りJリート上場投信
いずれも信託報酬0.15%で、決算月がズレているので、分散して投資する事で毎月分配金を得られる。毎月分配の必要がなければ、一つに絞ってもいいし、海外REITの2515と決算月がかぶる1597を削るのも策。