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心情語マップ作成が小説読解の鍵

「国語の得点力を上げるにはどうすればいい?」という相談は、毎年多くの生徒・保護から出てきます。国語の成績、特に読解力を鍛える方法論を提示できるかどうかは学習塾の生命線だと考えています。今日は、読解問題の一つである「小説」の得点力を上げるにはどうすればいい?に対する答えを紹介します。

 

心情語の理解が全て

小説では、登場人物(特に主人公)の心情の変化を掴むことができるかどうかがポイントになります。心情を掴むポイントとして、「直接表現」「行動」「会話」「情景描写」に注目するという指導が行われることが多いですが、小説読解が苦手な生徒はそもそも「心情語」のストックが貧弱な傾向があります。

 

「2分間で思いつく心情語を全て書き出してみよう」と問うと、中学1年生でも「楽しい」「うれしい」「悲しい」「ムカつく」「面倒くさい」「ウザイ」といった言葉が出たぐらいで手が止まりだします。この状態でいくら小説問題の量をこなしても、得点力は伸びません。小説問題の得点力を伸ばすためには、「心情語」のストックを増やす事が何よりも重要です

 

心情語を増やす心情語マップ

では、どのようにすれば心情語のストックを増やす事ができるのでしょうか。

 

心情語を増やすためには、一つの小説問題に触れるごとに、出てきた心情語を書き出し、類語と対義語を調べる事が効果的です。小説読解の設問のほとんどが、心情に関わる問題です。選択問題のほとんどは、本文の心情を言い換えた選択肢を選ぶ問題が多いため、類語を調べる事は非常に効果的です。また、接続語の前後で心情が反転する事が多いので、対義語を知る事で、心情の変化を明確に掴む事ができるようになります。

 

類語・対義語を調べるには、辞書を使うことが効果的ですが、ネットの辞書を使うのであれば、「Weblio」が便利です。

thesaurus.weblio.jp

小説問題を解くたびに、心情語を抜き出し、類語・対義語をメモしていく事でストックを増やしていきます。ある程度ストックが増えたところで、プラスの心情語とマイナスの心情語をグルーピングしたり、対義語を↔で結んだりして整理する(マップ化)する事で、徐々に心情語が使いこなせるようになってきます。

 

小説問題の正解率を上げるためには、読み進めながら心情をメモする「心情メモ」と、心情語の変化を掴む「接続語チェック」。この2点が全てといっても過言ではありません。そのためにも、心情語マップの整理を習慣化する事が非常に効果的です。

 

心情が掴める表現(直接表現・行動・会話・情景描写)に線引き。接続語に丸。欄外に心情語メモ。細かなテクニックをあれこれ駆使するよりも、技術はこれぐらいに絞って、心情語のストックに時間をかける事が小説読解問題の正解率を上げる鍵を握ると考えています。