自身の子どもがADHDという事もあり、小5の時は小学校に毎日通い先生のフォローをしていました。小6になり、担任が変わると、学校での様子もだいぶ落ち着き、小5の時は一度も書いたことがなかった連絡帳も、毎日丁寧に書いてくるようになりました。
やはり、先生がどのように指導するかで、生徒の行動も大きく変化する事がわかります。ADHDの生徒への対応として参考になった書籍は次の2冊です。
①こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル
ADHDの子どもとの関わり方を知る方法として、「ペアレント・トレーニング」があります。このプログラムは、親が子どもと効果的なコミュニケーションをとって信頼関係をつくるためのプログラムですが、集団授業での生徒との接し方においても学ぶべき事が多いです。
プログラムは10回のセッションから構成されており、「ペアレント・トレーニング」の運営者に向けた書籍ではありますが、この本に出てくるセッションにしたがって子どもと接する事で、実践的に子どもと信頼関係を構築する技術を身につける事ができます。
基本プログラム
①オリエンテーション(子どもの行動を3つに分けてみよう)
②肯定的な注目を与えよう・ほめ方のコツ・スペシャルタイム
③好ましくない行動を減らす①(上手な無視の仕方)
④好ましくない行動を減らす②(無視とほめるの組み合わせ)
⑤子どもの協力を増やす方法①(効果的な指示の出し方①)
⑥子どもの協力を増やす方法②(効果的な指示の出し方②)
⑦子どもの協力を増やす方法③(よりよい行動のためのチャート)
⑧制限を設ける(警告とペナルティーの与え方)
⑨学校・園との連携
⑩これまでの振り返り
こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル
- 作者: 北道子,河内美恵
- 出版社/メーカー: 中央法規出版
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: 単行本
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②ADHD/LD指導の基礎基本ー知ってほしい・出来て欲しい50の原則
ペアレント・トレーニングは主に、家庭での子どもとの接し方に関する方法論ですが、生徒指導の場面でも効果的だと感じています。とは言っても、家庭での対応と集団内の対応で難易度が高いのは圧倒的に集団内。集団内での指導方法で参考になるのが、横山浩之氏の著書ですが、ADHDの生徒への対応というよりは、効果的な指導技術を身につけるという事が最終的な答えだと感じさせる内容です。
以下概要です
①心理療法の原則
1.子どもからの信頼と尊敬を取り戻す
2.信頼と尊敬を取り戻したら、少しずつ、焦らずに、社会のルールを教え込む
3.教師が、子どもの試行錯誤に肯定的に対応し、考える習慣を身につけさせ、自立を目指す
②なによりも大切なのが学級運営(学級経営)
1.してほしい三つの行動を伝え、その確認を一週間行う
2.叱る基準を伝え、集団の中で叱る
3.小さな変化を観察し、集団の中で褒め、信頼を築く
4.国語・算数の授業で学力をつける
5.その子の味方になる
③授業内の配慮
1.言葉を削り、指示の意味を明確にし、さらに、指示通りできたことを確認する。
2.指示・発問は短く限定して述べる。
3.空白の時間を作らずテンポよく。
4.授業をたくさんの小さなパーツで構成する。
5.指導の途中で何度か達成できているかどうか確認し、達成できたことを喜び、励まし続ける。
6.頻繁で的確なフィードバック。
7.スモールステップで教える。
※スモールステップとは易から難ということではなく、論理性を持ってどういう概念を理解させればよいかという、その段階・段階という意味。わかるところは相手にしなくていい。わからにところを相手にする。
上記2冊を軸にして、個と面の指導技術を磨いてます。