目指すべき授業の形として「問題解決型授業」が話題に上る機会が多いですが、授業案の作り方は、従来の「基礎知識伝達型授業」とは全く異なる事が想定されます。「人類がどのような問題に対し、どのような概念を生み出して解決してきたのか」または「現実の問題を解決していく過程で基本概念を学ぶ」というのが「問題解決型授業」の一つの型だと思いますが、授業の肝となる【問題】の設定が授業の成否や価値を決めると言っても過言ではありません。
【問題】の抽出のために、アトキンソンの「記憶力」で提唱されている10クエッションがヒントになりそうです。もともとは、考えている事柄について10の質問を自答する事で、系統立てて知識が整理され、思い出しやすくなるという一つの記憶術ですが、【基本概念】と【問題】の関係を整理する事にも繋がりそうです。
【10クエッション】
①その由来、または起源?
②それはどんな理由で始まった?
③それにはどんな歴史があるか?
④それはどんな特性や個性を持っているか?
⑤それを連想させるものや関連しているものは?
⑥それをどのように活用するのか?
⑦それは何を表しているのか?
⑧それからどんな結果が生まれ、どんなことが起こりうるか?
⑨それは最終的に、あるいは将来的にどうなるか?
⑩それについて自分はどう考えるか
扱う【基本概念】について、10クエッションを投げかけ、自答する事で、この基本概念が生まれた背景や、どのような【問題】を解決したかを明確にする事ができそうです。アトキンソンはこの10クエッションを1週間後にも自答する事で、考えの深化が実感できると述べています。【問題】を抽出する一つの型として実践していきます。