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基礎知識の身につけ方②_記憶力を鍛える方法

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アメリカの執筆家、ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン1903年に著した「記憶力」には、基礎知識を身につける土台となる実践的な「記憶術」や「記憶力を高めるトレーニング」が記載されています。著者は科学者ではないので、記憶に関する「科学的事実」というよりは、古代の人々の記憶術などの「歴史的事実」や「実践的な手法」が紹介されているため、「基礎知識を身につけるにはどうすればいい?」という問題に対して、即効性の高いアドバイスが散見されます。

 

【基本概念】記憶

【問題】基礎知識を身につけるにはどうすればいい?

【ビッグアイデア

・記憶には注意力(集中力)が必要

・記憶力は鍛えることができる

・観察したものを再現するトレーニングで記憶に不可欠な興味と注意力を鍛えられる

・聞いたことを思い出す(聴覚)を使ったトレーニングも効果的

・最初から細部まで覚えようとしない

・なんとなく見聞きしても手に入る情報は限られている

・できる限り記憶に頼って再現する

・メンタルイメージを描く

※他にも、「基本概念の基礎知識への転換」を型として行う方法論と感じられる記載もあったので、これは別途記事にします。

 

【記憶のレベルの差は注意力の差】

アトキンソンは、記憶には注意力が必要と考えており、「観察したものを心の絵に再現する」→「実際に描いてみる」→「細部を思い出す」→「観察したものを説明する」といったトレーニングを推奨しています。また、1日を振り返る事も記憶力強化のトレーニングとして推奨しています。

 

また、インドでは「ヴェーダ」の教えが口伝えで記憶に刻まれ、書かれたものを見ることが禁止されていることを例に、五感を研ぎ澄まして覚えることに意識を向ける事が重要であると述べています。また、記憶のコツとして、細分化して覚える事、小さく始めて、前日に覚えたことを復習しながら徐々に覚える量を増やしていくことを推奨しています。

 

【記憶力は鍛えることができる】

考古学者のシュリーマンが、「もともと自分の記憶力は悪かったのだが、不屈の意志と不断の努力で鍛え上げ、ついには6ヶ月ごとに新しい言語を習得し、完璧い読み書きできるようになった」と述べている事例をもとに、記憶力は鍛えることができるという立場をとっています。

 

【記憶術】

ヒンドゥーメソッド

1日に1行(1節)ずつ覚え、次の日は前日覚えたことを思い出して新たな1節を覚える。次の日は今まで覚えた事を思い出し、新たな1節を覚える。少ない量でも毎日継続し、徐々に覚える量を増やしていく。復習する中で、新たに覚えたこと関連付き、忘れにくくなる。また、記憶力が鍛えられ1日で覚えられる量が増えていく(ただし、1日で覚えられる量には限界があり、個人差もある)。

②連想のチェーン

似ているものと関連付ける。論理的に繋げるなど、連想のチェーンを繋げる事で忘れにくく、かつ思い出しやすくなる。アルファベットでFを思い出せればGが浮かんでくる。道順を覚える時に、曲がる順番や場所を一つの繋がりで覚えていると、思い出しやすい事等が事例。

③メンタルイメージを描く

年号を覚える時に、大きな字で書かれた年号と共に関連性のある映像を頭に描くと記憶に残りやすくなる。

 

人の名前や顔を覚えるのも、興味関心を持ち、観察し、メンタルイーメージを描いたり関連付けたりする事で記憶に残り、かつ記憶力を鍛えるトレーニングになると述べられています。記憶する必要が薄れているとはいえ、「基本知識を身につける」ためには記憶力は鍛えられていたほうがスムーズなのは明らか。特別なトレーニングというよりは、日々の生活の中で、観察しメンタルイメージを描き、記憶に刻むトレーニングを取り入れていこうと思います。