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基本概念を学ぶ世界史_ローマ世界⑦_多民族国家を支配するにはどうすればいい?

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【問題】

多民族国家を支配するにはどうすればいい?

 

【基本概念】

民法

 

【基礎知識】

BC5世紀に生まれた十二表法を起源とし、帝政末期までローマ人が作った法をまとめてローマ法という。

 

【問い】

①その問題が生まれた背景は?

ローマが様々な習慣を持つ多くの民族を支配するようになると、万人が納得する普遍的な法律の必要が生じた。

 

②その概念によってどのようにして問題が解決したか?

初め、ローマ法はローマ市民だけに適用される市民法だったが、ローマの支配が全地中海世界に広がると、ヘレニズム文化の世界市民主義と、ストア派自然法思想の影響を受けて、帝国に住む全ての人民に適用される万民法に成長した。

 

ローマ市民と非市民との関係や非市民同士の関係を規定する「万民法」は、やがて帝国の全自由人にローマ市民権が与えられると、市民法と万民法の区別は事実上消滅した。

 

6世紀になると東ローマ帝国ユスティニアヌス帝トリボニアヌスら法学者を集めて「ローマ法大全」を編纂させ、ローマ法を集大成した。

 

③問題解決後にどうなったか?

ローマ法は西欧の中世・近代にも受け継がれ、特に民法はドイツやフランスの近代法を通じて明治時代の日本にももたらされた。

 

【学びの活用】

十二表法から始まるローマ法の変遷は、市民層や非市民層が力の基盤を獲得していく過程とも捉える事ができそう。「法」が生まれる背景として、かつてのメソポタミアの「ハンムラビ法典」のように神権政治の補完的役割を担う場合と、「ローマ法」のように、市民の権利を明文化しなければ国家統合を維持できないほど市民の影響力が増しているという2つの側面がある事が読み取れる。