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教育・仕事・生活

ADHDの生徒対応。おすすめはこの二冊

自身の子ども(現在小6)がADHDという事もあり、昨年は小学校に毎日通い先生のフォローをしていました。今年担任が変わり、学校での様子もだいぶ落ち着き、昨年は一度も書いたことがなかった連絡帳も、毎日丁寧に書いてくるようになりました。

 

やはり、先生がどのように指導するかで、生徒の行動も大きく変化する事がわかります。ADHDの生徒への対応として参考になった書籍は次の2冊です。

 

①こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

ADHDの子どもとの関わり方を知る方法として、「ペアレント・トレーニング」があります。このプログラムは、親が子どもと効果的なコミュニケーションをとって信頼関係をつくるためのプログラムですが、集団授業での生徒との接し方においても学ぶべき事が多いです。

 

プログラムは10回のセッションから構成されており、「ペアレント・トレーニング」の運営者に向けた書籍ではありますが、この本に出てくるセッションにしたがって子どもと接する事で、実践的に子どもと信頼関係を構築する技術を身につける事ができます。

 

基本プログラム

オリエンテーション(子どもの行動を3つに分けてみよう)

②肯定的な注目を与えよう・ほめ方のコツ・スペシャルタイム

③好ましくない行動を減らす①(上手な無視の仕方)

④好ましくない行動を減らす②(無視とほめるの組み合わせ)

⑤子どもの協力を増やす方法①(効果的な指示の出し方①)

⑥子どもの協力を増やす方法②(効果的な指示の出し方②)

⑦子どもの協力を増やす方法③(よりよい行動のためのチャート)

⑧制限を設ける(警告とペナルティーの与え方)

⑨学校・園との連携

⑩これまでの振り返り 

こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル

 

 
ADHD/LD指導の基礎基本ー知ってほしい・出来て欲しい50の原則

アレント・トレーニングは主に、家庭での子どもとの接し方に関する方法論ですが、生徒指導の場面でも効果的だと感じています。とは言っても、家庭での対応と集団内の対応で難易度が高いのは圧倒的に集団内。集団内での指導方法で参考になるのが、横山浩之氏の著書ですが、ADHDの生徒への対応というよりは、効果的な指導技術を身につけるという事が最終的な答えだと感じさせる内容です。

 

以下概要です

心理療法の原則

1.子どもからの信頼と尊敬を取り戻す

2.信頼と尊敬を取り戻したら、少しずつ、焦らずに、社会のルールを教え込む

3.教師が、子どもの試行錯誤に肯定的に対応し、考える習慣を身につけさせ、自立を目指す

②ないよりも大切なのが学級運営(学級経営)

1.してほしい三つの行動を伝え、その確認を一週間行う

2.叱る基準を伝え、集団の中で叱る

3.小さな変化を観察し、集団の中で褒め、信頼を築く

4.国語・算数の授業で学力をつける

5.その子の味方になる

③授業内の配慮

1.言葉を削り、指示の意味を明確にし、さらに、指示通りできたことを確認する。

2.指示・発問は短く限定して述べる。

3.空白の時間を作らずテンポよく。

4.授業をたくさんの小さなパーツで構成する。

5.指導の途中で何度か達成できているかどうか確認し、達成できたことを喜び、励まし続ける。

6.頻繁で的確なフィードバック。

7.スモールステップで教える。

※スモールステップとは易から難ということではなく、論理性を持ってどういう概念を理解させればよいかという、その段階・段階という意味。わかるところは相手にしなくていい。わからにところを相手にする。 

ADHD/LD指導の基礎基本―知って欲しい・出来て欲しい50の原則

ADHD/LD指導の基礎基本―知って欲しい・出来て欲しい50の原則

 

 上記2冊を軸にして、個と面の指導技術を磨いてます。

 

 

英語の学習は手書きとタイピングのどちらが効果的か

英語の学習は、リピーティングやシャドウイングなどの音声学習を考えると、アプリを使った学習が効果的だと考えています。

 

単語学習では「mikan」と「スタディサプリ英単語」
TOEIC対策に「Abceed」、英作文学習に「Ginger Page」
など、複数のアプリを書籍と併用しています。
音声学習は間違いなく、アプリの利用が効果的だと思いますが、ディクテーションをする際に、タイピングと手書きのどちらが効果的なのか疑問に感じました。

タイピングの方がスピードが速く、スペルチェックの機能もあるので、間違いの発見も早いです。ただし、手書きの有効性に関する研究も多く、最近アプリを活用する機会が多く、手書きの機会が減ってきているので、どちらが効果的か気になり始めました。

タイピングよりも手書きの方が有効であるという研究には以下のものがあります。


プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究
パソコンでメモをとるよりも手書きでノートを取る学生の方が総じて成績が良いことが判明した。専門家らは、書くというプロセスがより深く情報を記憶に焼き付けると指摘している。

ワシントン大学教育心理学教授であるVirginia Berninger氏の研究

手書きは豊かな着想を生み出し、脳神経の働きも活発になる。

③フランスのエクス・マルセイユ大学の研究者が公表した論文

3~5歳の子どもにおけるタイピングとライティング(手書き)の効果の違いは凄まじく、手書きの方が書いたものの内容をよく覚えることができる。

 

研究内容に関しては、教育学習データさんの記事が詳しいです

kyoikugakushu.com



現状、手書きとタイピングで使う脳領域が違うのは想像できますが、タイピングと手書きの学習経験や、視写、ディクテーション、英作文でも活性化する脳領域や記憶との相関に違いが出てくるのではないかと考えています。

タイピングの方が効率的な場面も多いので、一定時間の手書きの時間を残しつつ、学習効果の確認と最新の研究成果に注目していきます。

ゲノム編集最前線~ゲノム編集食品が出回るのはもう目前~

毎年中学3年生の遺伝の授業の前に、最新の情報収集をしています。昨年注目していたのは「iPS細胞ストック」「ゲノム編集」というキーワード。

 

用語概略

①iPS細胞

皮膚や血液の細胞に「山中ファクター」と呼ばれる4つの遺伝子を加えることで、どんな細胞にでもする事ができるiPS細胞を作ることができる。

②ゲノム編集

30億以上並んでいるDNA配列のうち、一箇所だけをハサミのように切り取ることができる技術。「クリスパーキャス」という特別なタンパク質を入れ込むことで、DNAの切りたいところを切り、再びつなげる事ができる。切り取ったところがガン化する可能性があるので、安全性の検証が必要。

③iPSストック

他人に移植しても、拒絶反応を示しにくいiPS細胞をストックする事で費用を抑えようとう取り組み。ゲノム編集によって、いままでつくった細胞のゲノムで、拒絶に関わるような遺伝子を少し編集すると、ほぼ全人類をカバーできるようなストックがつくれそうだということがわかってきた。

 

ゲノム編集の最前線

①筋肉量が2倍のマダイ

京都大学近畿大学のチームによって、ゲノム編集によって筋肉量が2倍のマダイが誕生した。生物は、筋肉が増えすぎてエネルギーを浪費しないよう、「ミオスタチン」というタンパク質で、筋肉の増加を抑えている。ゲノム編集によって、その遺伝子だけを切って、ミオスタチンが作られなくなったことで、このようなマダイが誕生した。

京大発、「肉厚マダイ」参上 -食に革命を起こすゲノム編集と安全 - 京都大学広報誌『紅萠』

www.nhk.or.jp

②受精卵でゲノム編集を行い病気の遺伝子を改変

広州 生物・医学研究所副所長 賴良学(らいりょうがく)教授は2014年に世界で初めて犬のゲノムを編集してミオスタチン遺伝子を切り取り筋肉を大幅に増強させた。その後、サルなどより人間に近い動物でもゲノム編集を実験的に行い成功させ、2015年4月に人間の受精卵でゲノム編集を行い病気の原因となる遺伝子を改変する実験に成功

 

③ゲノム編集でエイズを克服

エイズウィルスはリンパ球の表面の突起に結合してリンパ球の内部に侵入し増殖する。その後リンパ球を壊して体内に入っていく。そこで、採取した血液中のリンパ球のゲノムを編集して、突起をつくる遺伝子を切り取って患者の体内に戻すと、エイズウィルスの増殖を抑える事に成功した。

 

④ゲノム編集で作られた大豆油がすでに米で流通している

米カリクスト社は、ゲノム編集によって品種改良した大豆から採取した大豆油「Calyno」の販売を開始した。健康に悪影響を及ぼす飽和酸脂肪の含有量が少ないほか、トランス脂肪酸をまったく含んでいない。カリクトスの契約先には中西部でレストランチェーンを展開する企業が含まれており、Calynoはこのレストランで出される料理に使われている。

wired.jp

 

⑤日本でも2019年夏からゲノム編集食品の流通が可能に

厚生労働省は、遺伝子を切断して働きを止める方法は、自然に起こる突然変異や従来の品種改良と見分けがつかないので規制の対象外とした。一方、ゲノム編集には新しい遺伝子を挿入する方法もあり、この手法は安全性の確認が必要として、これまでの遺伝子組み換えと同じように安全性を審査する。

www.nikkei.com

 今後の追求テーマ

昨年は、ゲノム編集は医療の枠で進展していると考えていましたが、ゲノム編集食品が市場に出回るのはもう目前になっている事に驚きました。医療も食も、技術が進歩するスピードに、倫理観や安全性の判断が追いついていない印象です。各自が得られる情報をもとに判断しなければいけない状況が多くなると思うので、引き続き情報収集していきます。

 

染色体・遺伝子・DNAの違いって何?

啓林館の「未来へひろがるサイエンス3」では、遺伝子とDNAについて、次のような説明があります。

(P17)遺伝するそれぞれの形質のもとになるものを遺伝子という。遺伝子は、細胞の核内の染色体にある。

(P24)細胞の核内の染色体には、遺伝子が含まれている。これまでの研究から、遺伝子の本体はDNA(デオキシリボ核酸)という物質であることが、明らかになっている。 

 入試に向けては、「遺伝子」とは形質のもとになるもの。「DNA」は遺伝子の本体。という説明になると思いますが、ちょっとイメージしづらいので調べてみました。

 

①染色体

染色体はヒストンと呼ばれるタンパク質にDNAが巻き付いた棒状の固まり。つまり、染色体は、DNAがタンパク質に巻き付いたもの。ヒトの場合、一つの細胞の中に22対の常染色体と、1対の性染色体の計46本。性染色体は、女性が2本のX染色体なのに対し、男性ではX染色体とY染色体

※ギムザ液というアルカリ性の染色液によく染まることから染色体と名付けられた。

 

②DNA(デオキシリボ核酸

「アデニン(A)」「グアニン(G)」「シトシン(C)」「チミン(T)」といった塩基と呼ばれる物質がおよそ30億並んだもの。

 

DNAのところどころに遺伝子があるが、遺伝子はDNA全体の2%程度。残りの98%は今まで、「ジャンク(がらくた・ゴミ)」と呼ばれていたが、最新の研究では、この98%の中に「姿形、性格、才能など、様々な個性を決める重要な情報」が潜んでいることが明らかになってきた。また、「病気から身を守るDNA」も見つかり始めている。

 

③遺伝子

生物のからだを形作っている細胞では、主にタンパク質が中心に働いている。そのタンパク質の構造にかかわる暗号部分と、その暗号の読み取りを指令する部分が遺伝子。

それぞれが持っている暗号部分に従って、筋肉や体内でいろいろな働きをする酵素や、ホルモンなどのさまざまなタンパク質がつくられる。

遺伝子はは、体にとって必要なものを作り出す「設計図」の役割を果たしている。

2018年9月に、米ジョンズ・ホプキンス大学の研究で2万1306個と発表された。遺伝子は、DNA全体から言えば2%程度にすぎない。

 

DNAの解明やiPS細胞を利用した医療の発展など、毎年変化が大きい分野なので、授業で遺伝を扱う際には、最新の情報を調査しながら、生徒の意欲喚起につなげていきたいと考えています。

 

参考

産総研・サイエンス・タウン 未来の科学者のために 「遺伝子の正体」

NHK高校講座 | 生物基礎 | 第8回 DNA・遺伝子・ゲノム

news.yahoo.co.jp

www.nhk.or.jp

www.nhk.or.jp

アプリの活用で自由英作文の学習がいつでも可能になった

英語学習において、4技能の一つである「書く」技術を磨く指導は、「添削時間の限界」・「講師の能力」の限界もあり困難を極めます。

 

本来は自由英作文が最も生徒の意欲喚起につながると思いますが、講師側の「時間」と「能力」(講師側の都合)によって、生徒が技術を磨く機会を失っているとすれば、早急に改善する必要があると思います。

 

自由英作文は学習者の能動性を引き出し、学習内容を定着させる

「書く」指導については、ネット上でも多くの先生の実践報告が上がっており、とても参考になります。

 

最近目を通した実践事例では、那覇市首里中学校の喜屋武真弓教諭の研究が参考になりました。喜屋武教諭は、表現力を高める指導の工夫として、「「自己表現活動」を取り入れた英語授業(田中武夫・田中知聡著)」から、4つのポイントを紹介しています。

①必然性

自然に表現してみたいと思うような場面・状況を設定する。

・誰かにメッセージを伝えるという活動の目的を明確にする。

②具体性

・活動内容を具体的にイメージさせ、活動に取り組ませる。

持っている背景知識を活性化させて伝えたいメッセージを具体的に考えさせる。

③自己関連性

自分自身のことや自分に関連した人物や事項を活動内容として取り扱う。

英語以外の教科で学んだことや学校行事についての内容を取り入れる。

感情や考え、意見を取り入れる。

④自由度

生徒自身の意志や判断によって、主体的に表現させる部分を活動に取り入れる。

・いくつかの選択肢の中から自分の判断で話題や内容を決めさせる。

・教師が率先してパフォーマンスや作品に取り組み、具体例を生徒に示す。 

 また、國弘正雄氏は、「英語の話し方」の中で、学習者の能動性が発現するのは「英作文」と「英借文」の二つのルートに絞られると述べています。

 

これらを踏まえ、「自由英作文」は学習者の能動性を高め、学習内容の定着においても極めて効果的であると考えています。

 

自由英作文の学習を可能にするアプリ

私個人の考えとして、英語学習は中学校教科書の只管朗読をメインに据えるのが最善と考えているので、自由英作文もあくまでベースは学校教科書をもとに指導するのがベストだと考えています。

 

学校教科書には、必ずセクションごとに「春休みの思い出」「日記を書いてみよう」など、英作文を書く機会が設けられています。英作文を書くときにまず考えるのは「英借文」。それまでに出てきた教科書表現や単語・文法を使いながら書くことを進めます。

 

①「Ginger Page」でスペルチェック・文法チェック・日本語↔英語変換

次に、どうしても表現したいけど英語で表現できない文を書き加えます。この時に活躍するのが「Ginger Page」です。Androidiphoneのアプリだと有料になっているようですが、Chrome版は無料でダウンロードして利用できます。

 

「Ginger Page」はスペルチェクや文法チェックだけでなく、「Sentence Rephraser」によって、別の表現を提案してくれます。また、翻訳機能もついているので、英語↔日本語どちらも瞬時に変換されるので、伝えたい内容になっているかの確認や、表現したい日本語の英語表現の確認も可能です。

 

 

google「Keepメモ」でスマホと共有。「グーグル翻訳」で音声化

「Ginger Page」を使ってノートパソコンなどで作成した文章は、「Keepメモ」に保存すれば、スマホでも見れるようになります。この英文をスマホアプリの「グーグル翻訳」に読み取らせると、ネイティブの発音を確認できるようになります。自分で作成した文章を何度も聞き、何度も話すことで、リスニングとスピーキングのトレーニンになります。作文した内容は自分の経験や考えなので、印象にも残りやすく、何よりも繰り返し聞いたり声に出す事は楽しいです。まさに学習者の能動性が極限まで高まる瞬間です。

 

「Ginger Page」→「Keepメモ」→「グーグル翻訳」を使った自由英作文の学習は、現状集団授業で取り入れられるものではありませえんが、講師の時間と能力の限界を超えて、自由英作文の学習が可能な状況になっているのは間違いないと思います。

 

参考

「書くこと」における表現力を高める指導方法の工夫

 

 

國弘流英語の話しかた

國弘流英語の話しかた

 

アダプティブラーニングで浮いた時間でSTEAM教育

AI教材「Qubena(キュビナ)」によって、中学校数学のカリキュラム進度を7倍の効率(32時間)で修了する事を実現した株式会社COMPASS CEOの神野元基氏

 

定期試験の廃止、宿題の廃止、学校行事の自主運営など、教育の本質を追求し学校改革を進めている東京都千代田区麹町中学校校長の工藤勇一氏

 

お二方の実践と活躍は著書を通じて興味を持っていましたが、経済産業省の「未来の教室」実証事業で、2018年度に「Qubina」を麹町中学校に導入した実践が行われていた事を知り、状況を調べてみました。

 

経済産業省の「未来の教室」実証事業とは

2018年1月~6月に開催された経済産業省「「未来の教室」とEdTech研究会」での議論内容を踏まえ、「未来の教室」の姿を具現化するための実証事業。

 

「未来の教室」とEdTech研究会が、2030年頃には日本全国の当たり前であってほしいと思い描く「未来の教室」のラフスケッチは以下。

①幼児期から「50センチ革命×越境×試行錯誤」を始める
②誰もが、どんな環境でも、「ワクワク」(遊び、不思議、社会課題、一流、先端)に出会える
③学習者が「自分に最適な、世界水準のプログラム」と「自分に合う先生」を幅広く選べる
④探究プロジェクト(STEAM(S))で文理融合の知を使い、社会課題や身近な課題の解決を試行錯誤する
⑤常識・ルール・通説・教科書の記述等への「挑戦」を、(失敗も含めて)「学び」と呼ぶようになる
⑥教科学習は個別最適化され、「もっと短時間で効果的な学び方」が可能になる
⑦「学力」「教科」「学年」「時間数」「単位」「卒業」等の概念は希釈化され、学びの自由度が増す
⑧「先生」の役割は多様化する(教える先生、教えずに「思考の補助線」を引く先生、寄り添う先生)
⑨EdTechが「教室を科学」し、教室は「学びの生産性」をカイゼンするClass Labになる
⑩社会とシームレスな「小さな学校」に(民間教育・先端研究・企業/NPOと協働、企業CSR/CSVが集中)

以上「未来の教室」ホームページから引用

 

この、「未来の教室」実証事業に採用されたものの一つが、麹町中学校の数学の授業に「Qubena」を導入するものです。カリキュラムを効率化して浮いた時間でSTEAM教育を取り入れたようです。

 

※STEAM教育

Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Art(芸術)・Mathmatics(数学)を統合的に教育するもの。

 

麹町中での「Qubena」導入の成果

中1~中3の基礎コース(全体の約3分の2)にて、「Qubena」のみで学習を実施。結果として、全学年で標準授業時間の約1/2の時間数で学習を修了することができたそうです。

 

カリキュラムの効率化で浮いた時間を利用して、STEAM教育を実施。全3テーマ(ロボット・3Dプリンター・ドローン)で計9回のワークショップを実施。ワークショップ全体を通して、数学の要素を取り入れることで、基礎学習への学習意欲喚起をはかったそうです。結果として、数学の学習で学んだことは「自分の生活の役に立つと思う」「自分の将来に役立つと思う」「社会の問題解決に役立つと思う」といったアンケート項目で、受講後に変化が見られました。数学を学ぶことに対する意欲喚起にも一定効果がある事が伺えます。

 

今後の追求事項

教科学習と実践的な学びのバランスをどうとっていくかは、今後重要な課題になってくると思います。AIを活用したアダプティブラーニングによる教科指導の効率化は、一つの答えになると思うので、今後の技術開発に大いに期待しています。浮いた時間で生徒が取り組む課題として、何が適切なのかも今後の追求テーマになりそうです。

 

「未来の学校」実証事業では、他にもPBL(Project Based Learning:問題解決型学習)アダプティブラーニング、STAEM教育に関わる興味深い事業が展開されている(される予定)のようなので引き続き注目していきます。

 

工藤氏と神野氏の対談記事も拝読しましたが、「学んだことを人や社会のあいだで双方向で使ってはじめて価値がある」という工藤氏の言葉が胸に響きます。

 

子どもたちが、「主体的に学ぶ事」「学びを効率化する事」「学びを活用する場を創出すること」。今後も、見聞を広めながら自身にできることを追求・実践していきます。

 

参考

www.learning-innovation.go.jp

www.fnn.jp

www.learning-innovation.go.jp

hugkum.sho.jp

 

人工知能時代を生き抜く子どもの育て方

人工知能時代を生き抜く子どもの育て方

 

 

 

「目的思考」で学びが変わる?千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦

「目的思考」で学びが変わる?千代田区立麹町中学校長・工藤勇一の挑戦

 

 

英語の学び方~只管朗読で英語の種火を作る~

英語の学習方法は、國弘正雄氏が提唱していた「只菅朗読(しかんろうどく)」を推奨しています。曹洞宗の開祖、道元禅師の「只管打坐(しかんだざ)」をヒントに命名した学習方法ですが、使える英語を身につけるためにも是非取り入れたい学習方法です。

 

「只管朗読」の肝は、意味の取れた文章を、500回・1000回とひたすら音読する事。同時通訳の神様として英語を自由自在に扱った國弘氏は、英語の種火は中学程度の教科書を繰り返し朗読することによってつくられるといいます。

 

但し、「只管朗読」を学習に取り入れるためには、音読を反復する忍耐力と、生徒の自主性が求められます。國弘氏は著書「英語の話し方」の中で、技術を身につけるためには単調な作業の反復が欠かせない事や只管朗読の功徳を紹介することで、モチベートしています。

 

只管朗読に誘う國弘氏の言葉を引用します

「単純なことを愚直に繰り返す」という、その意義をちゃんと受け止めることが出来るか否かが、只管朗読の成否を握っているのです。(P35)

 ・英語を習得することに漠然とあこがれはするが、これといった成果を上げられない人というのは、基本技術の習得に関して見通しが甘すぎるのです。(P38)

「基礎の習熟度に関して、謙虚になること」、それが飛躍への第一歩です。(P38)

・基礎力を作る段階では、一通りの意味を理解するのに、あまり時間を使ってはいけません。時間は理解したものを身につけるために使うのです。その比率は一対九といっても決して誇張ではありません。(P48)

 成果を出すためには、学習者の自主性が欠かせません。塾の講師は、いかにして生徒の自主性を引き出すかも重要な役割。「只管朗読」に取り組もうとする生徒がぶち当たる困難を予測し、それを乗り越えてでも前向きに取り組めるよう、「功徳」や「反復の重要性」を伝えていきます。

 

國弘流英語の話しかた

國弘流英語の話しかた